2017年12月18日月曜日

RE TOPCOR 1:1.7 f=55mm 71132584



トプコンのエキザクタからの発展マウント、REマウントを採用した最後の標準レンズ。これ以前の重厚で個性的な筒から、普通っぽい日本製SLR用レンズの筒になった(なってしまった?)レンズである。セット販売のボディRE200の扱いも以前より廉価な扱いだったので、カメラブランド終焉間際の世代のレンズである。Kマウント化されたAM55/1.7は光学系はこれの流用っぽい。と、いうかコーティングが違うらしいが外見は同じにしか見えない。


これ以前の存在感のある筒とは比べる事がナンセンスなくらいに普通。出来悪い事も無く普通。最短撮影距離が60cmなのは何故なのでしょうかね?自社ブランドの中での格付けなんて云ってる場合の時代の製品じゃ無いのに廉価版扱いの60cm。それとも本当に45cmと60cmでのコストを切り詰めたのかな?まさかねぇ・・・


開放 - α7、JPEG

お猿さんはネガティブな意味での普通な感じ。極端な癖も無く普通。今時の当たり前の普通に良いって事では無く、ネガティブに普通・・・まぁ、こんなもんでしょ。


開放 - α7、JPEG

55/1.7ってスペックは後玉が窮屈なエキザクタマウントでも無理が無いのか、素直に甘いと云うか、無理して頑張った感じの癖は感じない。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop



F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop



F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop



F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

さて、このレンズ、撮っててサッパリ「グッ」と来ない。なんかキレがなくて残念なのである。撮った全部を背面液晶で確認したりしないのだが、しばらく歩いて、さっきの写真を見返すと「う~ん、俺ピント外したかな?」って思える位に微妙に甘い。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放では強い癖が無いので、結構好きな描写である。強い個性的な開放描写は面白いのかも知れないが、収差が主張しないで甘さと深度の浅さが活かせる方が好き。これでピント部に一段キレがあると良いのだけど。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放はともかく絞った遠景が残念。レンズの描写性能には寛大な方だと思ってるが、これは嬉しくない。Webだと判り難いと思うが、六つ切Wで残念な写り。



F1.7 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

実使用でイマイチなのはテスト結果見ると「なるほど」と判る。

F8でも周辺甘甘である。内接円位はマズマズの画になってるが、それ以上はモッサリ。F11、F16でも外は甘い。多少は改善するがF8から大して変わらない。F5.6では内接円も怪しい。開放からF4までは遠く撮っちゃダメな感じ。遠く撮るならF5.6にはしたい。特にF2.8までは極々中心しか解像してない。70年代も終りの頃の日本製で55/1.7と前世代的スペックのレンズ作って、何が起きちゃったのか謎。



F1.7 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

遠くの解像無い代わりに近くは優しく大人しい。うっすらヴェール纏って低コントラスト。ハイライトは程よく滲ます。若干のカラーフリンジはあるが、強いパープルフリンジは無い。画質が良いワケではないが、これはこれで楽しめる写り。遠景の残念な写りを思えば、近めの写りを無理にでも楽しまないと悲しいレンズになってしまうので、楽しいと信じよう。