2017年11月16日木曜日

Super-Takumar 1:1.4/50 Asahi Opt. Co., Lens made in Japan 1032591



135判SLR用の標準レンズで最初に50mmでF1.4を実現したのが、Super-Takumar 50/1.4。Super-Takumar 50/1.4は黄変色するアトムレンズで知られているが、これは黄色くならない初期型の8枚玉って奴。高屈折率の新種ガラスを使用せずに50/1.4を実現する為に8枚ものレンズを使って頑張ったレンズ。既に紹介済みの7枚玉のSuper-Takumar 50/1.4と比較してみたい。



見た目は7枚玉と殆ど変わりません。重さは実測で10g重い243g。筒のバージョン違い程度の差。


8枚

8枚玉のお尻から反射をみるとこんな感じ。丸した部分が明らかに反射面が多いです。


7枚

7枚玉と8枚玉の見分け方は諸説イロイロ云われてます。イロイロありすぎて頭の悪い私は「あ~何がどっちだっけ?」とサッパリ覚えられない。個人的には後玉の反射で確認が一番簡単に思います。もっとも7枚玉はガラスが先ず黄色いので判りますね・・・

 
開放 - α7、JPEG (8枚 - 7枚)

鮮明度は大して変わる様に見えない。ボケの描写が多少違います。どちらも2線ボケの傾向ありますが、8枚玉の方がリンギングがボテっと太い感じです。


開放 - α7、JPEG


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

2017年10月に空鉄シリーズで知られる吉永陽一さんの写真展「路(みち)」を拝見しに福島県いわき市のギャラリー コールピットを訪ねた時、展示会場で作者記念?ショット。

珍しく開放ポートレートで始めた後は、ずーっとF8が続きます。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

横位置で画面左上が位のは光軸が若干シフトしてるのかな?片ボケは感じないので曲がってるワケでは無さそうだけど。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

さて、どうしましょう?

改良型の7枚玉と比較して初期型8枚玉の描写はどうなの?ってネタなのですが、、、うーん困った。F8に絞って遠景撮ってる限り、遜色感じない。「良く写る良いレンズだなぁ」って感想。


F5.6 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

改良型7枚玉と初期型8枚玉の違い。写した結果を見ると大して感じませんが、実は使用・撮影中に凄く良く判ります。でも、この違いもフィルムカメラ時代の一眼レフのファインダーでは判らないと思う。私はSONY α7に着けて撮影してますが、ピントを合わす時にEVFで拡大モードで合わせます。拡大して観察すると初期型はフォーカス位置前後にカラーフリンジがかなりクッキリ現れます。改良型も現れますが、初期型より穏やかで改善されてます。




F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

テストで詳細に比較すると、中心以外ははどちらもトロトロだが。8枚玉は開放からF4まで凄く解像悪い。テスト撮影時にフォーカスをしくじったのかと再度撮影したが変わらなかった。開放からF5.6まで7枚玉が明らかに良い。F8まで絞れば8枚玉も十分な画質になるが、それとて7枚玉の方が良い。チャートテスト的な比較をすれば改良型7枚玉は改良されて居るのが明らかだ。



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

近景でのボケの出方は8枚玉の方が柔らかい。ヘッドライトのクロームの部分に8枚玉はパープルフリンジが目立つ。8枚玉は球面収差がアンダーコレクション気味っぽい。

21世紀の今、現代のレンズの描写を拝見すると、ビックリするほど鮮鋭に描写します。50年前のレンズも場面によっては現代のレンズと遜色無い写りを見せますが、様々な場面での描写を見ると、現代のレンズには及びません。高性能な現代のレンズに至るまでに、小さな改良の積み重ねがあっての事なのを、50年前の8枚玉と7枚玉のスーパータクマーは、現代に掲示してくれました。


2017年11月3日金曜日

珠江 S-201 1:2 f=58mm PEARL RIVER MG-0146192 (MADE IN CHINA)



中華人民共和国製の一眼レフ・珠江 S-201に付属?の標準レンズです。しばらく貸して戴いて使いました。英語表記を読んでPEARL RIVER 58/2などと呼んで居ますが、これはカメラの名前の気もするのです。珠江はMINGCAと発音するのか、幾つかあるレンズバリエーションには銘版にMINGCAの表記があるレンズもあります。シリアルナンバーの前のMG表記はそれの略なのかなと思うと、googleで画像検索するとYTやJGやHGとかあってワケがわからない。ロシアカメラの工場マークの様な物なのか?でも、そもそもこのカメラはそんなにアチコチの工場で作ってるとも考えられないし謎。NIKKORテイストの筒でパッと見はNIKKORに見えなくも無いです。58/2なので中身はHelios44系のライセンスか勝手にコピーでしょうかね?



おぉ、NIKKORですね。(笑)



見た目はNIKKORですが、マウントはROKKORです。通常のMinolta SRマウントに装着可能ですが、何故かフランジ面にロック穴が開いてます。カメラのS-201はMinolta SRマウントですが、マウント向かって正面右側にレンズだ脱着ボタンがあって、フランジ面のロックピンでこのレンズをロックしてます。どうしてもNikon F風にしたかった様です。ロック機構が2種類装備のレンズはひょっとすると、超貴重種なのかも知れない。


開放 - α7、JPEG

季節が異なるので少々判り難いですが、Jena Biotar 58/2と比較してみると、基本的には同じレンズの様に見えます。ただ、定点テストをみると焦点距離はPEARL RIVER 58/2の方が若干短いのでBiotarとは全く同じではないようです。Helios44を未だテストしてないので、テスト時に焦点距離の比較は宿題にします。

お猿さんの写りは抜けがイマイチ以外は、まぁこんな所でしょう。逆光弱そうです。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放では古典的SLR標準レンズの描写です。甘いですが、それなりに解像して悪くないです。心配(期待)するほどデタラメな写りではありません。ちゃんと写ります。そりゃそうです。中国で一番エライ一眼レフに付属のレンズです。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞って問題無しです。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

問題出ました。このレンズもデジとの相性は良くないようです。α7での撮影だと場面によってはゴーストが画面中心に出ます。この2枚も中心に色被りとコントラスト低下が起きてます。


F2.8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

場面によってはゴースト目立たないので、ゴーストなければ絞っての遠景は
十分に写ります。総じて逆光には弱いので曇りの日向き。フィルムで撮れば問題は殆ど無いのではないでしょうか?


F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

開放での中心は線は太めですが悪くない。中心から外れると溶けていく。グズグズしないでなだらかに溶ける。F2.8に絞っても中心のコントラストが上がるが全体的には殆ど変化なし。 F4までは甘いですが、F5.6からグンと整ってきます。F8なら十分に立派な写り。解像に関しての話で抜けの悪さはズッとありですけどね。



F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

ボケの感じは見ての通りです。コントラストは低いですが開放からカラーフリンジが目立たずに非常に使いやすい。近景を開けて撮るのは良いかも。

昔のレンズと思えば、十分に立派に写る物です。50年代、60年代の十分なクオリティを持ってるレンズだと感じた。あ、でもこれ1978年なんだねぇ・・・

まぁ、21世紀になっちゃえば総じて昔のレンズ扱いで宜しいんじゃないですかね。(笑)



2017年9月30日土曜日

ISCO-GÖTTINGEN WESTAGON 1:2/50 224973



ISCO-GÖTTINGEN のWESTAGON 50/2です。シュナイダーの子会社のイスコ。ちゃんと読むとイスコ・ゲッチンゲンで日本語表記は通ってるが、音声で聞いた事ないので謎。Voigtländerなんかも最近はフォクトレンダーと表記してるけど、昔のカメラ雑誌ではヴォイトレンデルとか他にもイロイロあった気がする。ブランドの母国の発音を日本は結構気にするようだけど、諸外国の方々は読みやすい発音で好きに呼んでる様子。アルファベットの国はNikonはNikonとしか表記出来ないので、自国の発音で読むしか無いが。日本はカタカナがあるので、正確な読みを表記したくなってしまうのでしょう。

シュナイダーより廉価版扱いの様子のイスコなんだが、シュナイダー自体がアッチコッチのカメラでツァイスより廉価版扱い。その廉価版のシュナイダーの更に廉価版扱いがイスコって事になる。ヨーロッパの厳しい階級社会を感じます。(T_T)

で、その廉価版の廉価版扱いのイスコの標準レンズには、このWESTAGONの他にもお名前が幾つかあって、一応格付けがあるっぽいのだけど、これも良く判らない。WESTROMATやWESTROCOLORの方が偉い様子だが、MATとCOLORのどちらが番付が上なのか?口径で決まってるワケでもなく、鏡胴の作りってワケでもなさそう。このWESTAGONは50/2だが、50/1.9もあるのでMATとCOLORとスペックで差別化出来てない。更に云えば同じスペックの光学系は同じレンズっぽい。50/2.8クラスだとISCOTARやWESTANARもあり。ずらっと名前を並べると基本的にパクリっぽい名称が微笑ましい。



イスコはプラスチック鏡胴が得意だが、これはクロームで立派な金属製。F2のWESTAGONはプラ鏡胴の物は無さそう。M42のWESTAGON 50/2は更に厳つい金属鏡胴に入っている。イスコの標準レンズの中では50/2は比較的高値で取引されてる様子。


開放 - α7、JPEG

さて、お猿さん。明らかに渦巻いてます。周辺光量不足も大きくてトンネル状態。全体にもやってますが、中心部の解像は案外悪くない。所有するレンズはコンディションはあまりよくありません。全体に薄ら曇ってる状態なのでコントラストは、かなり下がると思います。ベストな状態ならもっとコントラスはあるのでは無いでしょうか?参考程度に御覧下さい。


開放 - α7、JPEG

もんやりフワフワ夢の中な写り。収差より曇りの影響が強いかな。
最短撮影距離が1mと長いので小物の接写は無理。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

珍しく横浜をブラついた、ベイサイドな街の景色をビシっとバシーっとキレキレに撮る所なんだが、α7に着いてるレンズはWESTAGON 50/2。着けて来たのは自分自身なので、重々承知してるのですが、絞って撮れば大丈夫だろうと高を括ってた。EVFファインダーで覗いて絶望的なファンタジー感に今日は全部開放で撮ると決心。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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見事に中心以外は解像しない。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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トンネルです。口径食の周辺減光ではなく、そもそものイメージサークルが135判に若干足らないようです。絞っていっても返って四隅が蹴られてる様になる。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


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曇ってるせいかハイライトあるとソフト効果大!(曇ってるせいだと思いたい。)
うーん惜しいねぇ。これで最短撮影距離が短ければインスタ栄えレンズだったかも知れない。イングリッシュガーデンの薔薇の中でコスプレ撮影とかに使うと、ファンタジー感増し増しレンズとなりそう。(門外漢です。)


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

頭がボーっとした寝起きまなこで見える景色・・・



F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

全体にモヤ掛かってるのだが、開放でも極々中心の線は案外シッカリしてる。でもこれを絞って行っても余り変わらないのである。もちろん絞っていけば画質は上がるのだが、全然ユルユル。F8でもキレては来ない。エフェクト効果レンズと割り切って開放で使うのが正解なのがテストでも判る。



F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

ボケテストは非常に興味深い。開放でグルグルしてるのは珍しくないが、遠景テスト同様に絞っても変化が少ない稀なレンズだ。F2とF2.8は変化なんか判んない(笑)。興味深いのは周辺のボケ。過剰補正による光源ボケのリンギングは多くの場合少し絞ると取れてくる。でも、このレンズはF8でも取れてない。このレンズの球面収差図を非常に見てみたい。

Roeschlein-Kreuznach Luxon 50/2も強烈なエフェクトレンズだったが、こっちも負けてない。どちらも小さいレンズだが性格捻くれた悪戯好きな悪たれ妖精さんレンズ。