2016年7月16日土曜日

MC ROKKOR-PG 1:1.2 f=58mm 2591803 MINOLTA LENS MADE IN JAPAN



久しぶりに大口径F1.2レンズの登場。以前ミノルタのMD ROKKOR 50/1.2を紹介したが、今回は同じミノルタのMC ROKKORの58/1.2。標準レンズも時代によって設計のコンセプトが変化してくる様子が同じメーカーの異なる時代のレンズを比べると、うかがい知れて面白い。



実測485gの中々のヘビー級。焦点距離も長いから、より立派に見える。微妙にNIKKOR-S Auto 55/1.2のデザインパクリに見えるけど・・・・ 格好良いから忘れましょ。

光学設計とは関係ないが、国産一眼レフ用のレンズは70年代のレンズが造りが立派。70年代はモダンになりつつもクラシカルな雰囲気も残ってて、言葉は悪いが無駄に立派な造りな物が許された最後の年代なのかも知れない。80年代になると、各社は必要十分を合理的に作るようになって、無駄に立派な物は少なくなって来る。


開放 - α7、JPEG

昔の過剰補正玉らしい背景のボケ。このタイプは絞るとグンと画質上がるのが多い。ただ、ボケにカラーフリンジが結構付随している。近景をデジでのカラー撮影だと現像でケアする必要がありそうな予感・・・


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

無線の人かな?


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop



F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

遠景を絞っての撮影は気持ちいい写り。コントラストより解像度チャート重視時代の高級レンズらしく端整にキレる。大口径F1.2って事を忘れて、絞った描写だけで十分に嬉しい写り。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

偽物。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

本物。

距離と被写体の条件によってボケの性格が結構変るレンズだ。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

縦ばっかりだ・・・


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放で撮ると懸念した通りにアウトフォーカス部にカラーフリンジが乗る。現像時にしっかりとケアしないとカラーだと鬱陶しい。開放でフォーカスした付近のソフトな描写自体は上品なので、カラーフリンジは残念。2線ボケを出さないように使えば、上品なソフト描写を活かして白黒ポートレートなぞ良いのかも知れない。



F1.2 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

開放では画面全体にヴェールを被ってる写り。ヴェールの中の線はあまり溶けてない。絞るにつれヴェールが取れていく。F2.8で内接円以上を十分にカバー。実使用の印象通り、F8やF11で文句の無い写り。F4やF5.6でも多くの場面で十分だろう。コントラストは絞っていってもパキっとクッキリと上がって来るタイプではない。



F1.2 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

ここまで寄っての近接での背景ボケはリンギングなく大変綺麗。しかしカラーフリンジはでる。お猿さん撮影くらいの方がよりカラーフリンジは目立つ。パープルフリンジがベッタリ張り付くタイプでは無いので、プリントサイズ小さいとバレ無いかも知れないが、結構鬱陶しい。

絞った描写が素晴らしいし、大口径のわりに湾曲も目立たない。左右の画質差の少なさを見ても、真面目にキチンと作られてる様子が窺える。距離によっては目立つ2線ボケ傾向とカラーフリンジがやっぱり残念。

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