2016年6月8日水曜日

ЮПИТЕР-3 1,5/50 N710375



最近、恐ロシアな価格で復刻されたЮПИТЕР-3(以下、JUPITER-3)である。ロモグラフィーの復刻版の謳い文句によれば、オリジナルのJUPITER-3の特徴は以下。

  • ロシアの銘玉
  • 伝統のシャープな写り
  • なめらか
  • 自然な発色
  • 魅惑的なボケ

云う事無しの素晴らしさです。そんなレンズは常々欲しいと想い焦がれていた。もっと早くこのキャッチコピーに気付いて居れば積極的に使っていたのに、知らなかった。灯台下暗し、理想とするレンズは既に手元に在ったのだ。しかも頂き物で。

さて、あまり苛めてもあれなので、次に行きましょう。

JUPITER-3を説明するのに、オリジナルのSonnar 50/1.5との関係を説明するべきなのだろうけど、ロシアレンズの研究してるワケでも無く、僕が書いても受け売りでしか無い。ネットや書籍、いろいろ情報ありますので、興味のある方はお調べ下さい。



疑惑のLマウントJena Sonnar 50/1.5NIKKOR-S.C 50/1.4Canon 50/1.5に続いての大口径50mmゾナータイプ。正直云って僕と大口径50mmゾナータイプの相性は悪い。素晴らしい売り文句のJUPITER-3が、僕の大口径50mmゾナータイプの先入観を払拭してくれるだろうか?(苛めるのは止めたのに又苛めてしまった。)


開放 - α7、JPEG

お猿さんの撮影では、前記3本より後ろボケは柔らかい。その点以外は3本とも中心以外は流れて解像しない、糸巻きの湾曲、全体にフレアを纏ったような抜けの悪さは同様。

今となっては、この解像しないでヴェール被った写りが売り。(だよね?)


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

絞っても全域にパリっとは来ないのは判ってるので、開放で近めの被写体を深さ意識しながら撮るようにする。うーん、どこにピントあるのか判らない。このファンタジー路線が正解か・・・

写欲が落ちるので、住んでるマンションの敷地内をウロウロ。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

敷地内を絞って撮る。絞っても全域に良像範囲は広がらないが、近めで前後奥行きある被写体なら雰囲気で誤魔化せる。しかもゴチャゴチャしてるしね。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

お猿さん撮りに敷地外に出たあと、そのままブラブラ。開けたほうがいいかもと開放でも撮ったのだが、鳩ポッポが崩れちゃって駄目だった・・・


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop



F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

こういう写真は向いてない。2L位までならパッと見はバレないが、六つ切りで周辺ボロボロなのがばれる。

レンズが悪いっていうより、大口径ゾナーでこういう写真は撮っちゃ駄目なんですね。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

心を入れ替えて開放で撮る。

まぁ、これも有りなんじゃないかと思うが、ハロっぽくてハイライトが滲みが多いレンズは白の諧調が出難いのが好きに成れない所でもある。紙のトーンが失われてしまってる。これは逆に女性の肌なんかは綺麗になるでしょうね。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

これも撮っちゃ駄目な被写体。判り難いだろうけど、結構な範囲の周辺がボロボロなのである。

残念ながら過去3本使った大口径ゾナータイプと印象は同じ。開け気味の画が崩れてるのは、さして気にはならない。流れる描写を積極的に活かせる場合もあるだろうが、絞った時にもう一息、否、もう二息パリっと来て欲しい・・・



F1.5 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16 - F22

遠景テストの開放とF2は中々凄まじい。最初画像を見てテスト撮影に失敗したのかと思い、再度撮影したが変らなかった。ど真ん中の中心ですらハイライトはブレたようにクッキリ滲んでる。F2でも大して変らず、F2.8でやっとハロっぽいのは改善されてくる。コマ収差も強烈。遠景撮るならF8以上には絞りたい。それでも十分とは云えない。結果は程度の差はあれど前記3本の大口径ゾナータイプ標準と同じ様な結果である。まぁ、これがゾナー50/1.5クラスなんじゃないでしょうかね。

そうそう、疑惑のLマウントSonnar50/1.5と比較して、焦点距離はJUPITER-3は額面通りに50mm位ですね。



F1.5 - F2 - F2.8 - F5.6 - F4 - F8 - F11 - F16 - F22

ボケも他の3本同様近接の後ボケは綺麗。Canon50/1.5とは特に似てる。Sonnarっぽいって意味では4本ともザックリとは性格は似てる。しかし、4本を比較すると、JUPITER-3、NIKKOR-S.C50/1.4、Canon50/1.5は、より傾向が近い写りで、疑惑のLマウントSonnar50/1.5は異なる傾向のようだ。JUPITER-3とは関係ないけど、LマウントSonnarの夢が広がってきた。(笑)

結論、情緒派では無い僕にはヤッパリ相性悪い。

2 件のコメント:

  1. いつも楽しく拝見しています! 私もα7でライカマウントのレンズを使ってましたが、先日デジタルライカを手に入れて試写してみてびっくり! 新旧問わずα7で流れ&原稿していた周辺部が劇的に改善され流のです!(◎_◎;)
    思った以上にα7と短いフランジバックのライカマウントレンズの相性は良くない様です。

    返信削除
  2. Naoki様はじめまして。
    なるほど。お試しになったレンズで標準レンズでも、それほど差がありましたか?
    広角レンズは、私の周りのライカ使いの方々から、そうは聞いてましたが、標準レンズ系では聞いて無かったです。
    Gプラナー45/2やプラナー50/2ZM等を使ってみた感じでは、標準系は優秀なレンズはビシっと来てるように見えるので、標準レンズを使う上ではさして問題無いかなと思っていました。

    返信削除