2014年6月16日月曜日

Roeschlein-Kreuznach Luxon 1:2,0/50mm 146134



旧西独のBRAUN Paxette II 用の交換レンズ。Luxon 50/2。なんだそりゃ?って代物。Paxette IIはライカ判のビハインドレンズシャッターのレンズ交換式カメラ。ライカLマウントと同じM39ネジマウントだが、バックフォーカスが独自なのでライカに付けてもピントは来ない。恐らくライカより低価格な普及品カメラだったのだろうが、どの程度の人気だったのかよくわからない。中古市場で良く見る物でもないが、レアと云う程の珍品では無い。特に海外オークションではボディやレンズからカタログまで結構ある様子なので、それなりにある程度は売れたのでしょう。派生のボディや交換レンズの種類も方なシリーズだし。

M39のPaxette II用の標準レンズはCarl Zeiss Tessar 50/2.8とSteinheil München Quinon 50/2、それとこのRoeschlein-Kreuznach Luxon 50/2がある。50/2が何故か2本もあるのが謎。Roeschlein-Kreuznach って、パチモン見たいな会社名だが、調べると由緒正しく現代まで続く普及品や工業レンズ等の光学メーカーさんらしい。

Paxette IIのマウント面からのバックフォーカスは凡そ44mm辺りらしいのだが、マウント面より後ろにレンズが飛び出していて一眼レフで使用するのが困難。このレンズも随分と前に入手はして居たのだが、結局使う事が出来ずに死蔵していた。この度α7のおかげで初めてまともに使う機会が訪れた。



御覧のように非常に小さいレンズ。重さも100g切って非常に軽い。50/2ってそれなりに大口径である。後ろが飛び出てるとはいえ、RFレンズよりは長いバックオーカスで50mmって焦点距離をF2の明るさを保ち、脅威の小型軽量化を果たしているのである!!!日本のメーカーさんが中々出来なかった事を流石技術先進国西ドイツだ。

さて、本当に驚愕技術で全ての難問をクリアーしていたのか、結果は如何に。


開放 - α7、JPEG

先ずはお猿さん。開放だとピント合わせるのも難儀。後ろと云うより全体にグルグル。


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

日枝神社の山王祭の行列を生まれて初めて見物した。生まれ育ったのは東京日本橋だったのだけど一度も見たことが無かった。コースをみたら生家の目と鼻の先を行列して居たのだ・・・

ファイダーを覗いた様子で、絞っても結果が見えたので全部開放で撮ってファンタジーに徹した。近景を開放で撮るとトイレンズも真っ青な写り。(冷汗)


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

行列去った後の銀座。うーん、ライオンの並びなんだけど何が建ってたのかサッパリ思い出せない。

ご覧のように絞ると周辺が蹴られて来る。中心部分は意外と言っては失礼だが、意外にも案ずるよりシャープだ。でも本当に中心だけ。このレンズはライカ判と言い張ってるが、実際のところハーフ判じゃね?


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

MFで動体(歩きだけど)撮ってもピントに自信が無いので、飼い猫を撮る。瞳のキャッチライトでピント合わすも、開放だと滲みもあってピントは来ない。

絞っても周辺画質が上がらないので、開け気味で近景撮る事に徹した方が幸せ。団体旅行の記念写真は無理です。



F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16



F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

テスト結果みると、真面目な話でハーフ判なのが判る。開放ではトイレンズな様相だ。今どきのトイレンズの方が良いかも知れない位・・・

PEN用のF.Zuiko 38/1.8と比較すると、良像な範囲はF.Zuiko 38/1.8の方が広い。「驚愕技術で全ての難問をクリアー」では無く、「脅威の厚かましさで言い張っちゃった者勝ち」。

ま、こう云うのも在るから面白いのだけど。この紹介を気にロモグラフィー界で伝説の名玉レンズ扱いになって欲しい。成ったら高く売ります。

2014年6月3日火曜日

NIKKOR-S.C 1:1.4 f=5cm Nippon Kogaku Japan No.324115



Leicaスクリューマントの5cm/1.4。ツァイスSonnar50/1.5を非常にお手本に造った高速度鏡玉。本家ツァイスにSonnar50/1.5のデッドコピーだと云われたらしいが、現代ではアウトなレベルでソックリらしい。しかし、明るさの実測では僅かにニッコールの方が明るいらしいので、丸々のデッドコピーでは無いのであろう。F1.4の前の5cm/1.5はどの程度のコピーなのかは知らない・・・



デヴィット・ダンカンがニッコールの性能に驚いて買って行ったとかの時代のレンズ。ダンカンさんが写りに驚いたのは85/2で、5cmと13.5cmのニッコールを買って行ったとの事なので、5cm/2かも知れない。それとも1.4なのかな?今度誰かに聞いてみよ。逸話はいろいろ聞きますので、それはその道の方々の文献を参考にしてください。

そうそう、所有したり拝見する機会があったレンズに限った話だが、昔のニッコールの多くが今でもガラスが非常に綺麗な状態を保ってるような気がするのは僕だけ?

これもM様からの借物レンズ。

----- 2014.6.4追記 -----

デッドコピーだと噛みついて来たのは本家ツァイスでは無く、フォクトレンダーだったと教えて頂いた。明るさの実測をしたのはキヤノンとの話だし、当事者より外野の方が騒いで居たのかも知れない。それだけ大口径F1.4って大変な事だったのでしょう。当時のツァイスを当時の日本ごときが追い抜いてはケシカランだったのかもね。

ダンカンが買って行ったレンズは5cm/1.4でも5cm/2でも無く、5cm/1.5であるとニッコール千夜一夜物語 第三十六夜: ~伝説のレンズ~ Nikkor P・C 8.5cm F2 大下孝一に記載があると、教えて頂いた。

どちらもありがとうございました。自分で調べるより、判らない事があったら投げかけて置けば、博学の皆さんに教えて頂けそうだ。

----- 追記終わり -----


開放 - α7、JPEG

開放だとピントが凄く判り難い。後ろのボケは疑惑のJena Sonnar50/1.5にソックリな海ブドウ。


F8 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

F8に絞ると中心は解像して来るが、周辺は解像しない。疑惑のSonnarは絞っても全体にダメだったのと比べると中心は数段良い。ただし、F8でも良像は短辺内接の円もカバーしない。


F11 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

F11まで絞っても周辺は崩れる。

うーむ、2本しか見てないので断定出来ないけど、ライカ判の標準レンズをゾナータイプで作るのは相当頑張ってる状態のようだ。テッサータイプでは大口径化するのに球面収差に無理があるからゾナーなのだろうけど、結果を見ると無理矢理っぽい。コーティングが良くなってガウスタイプに大口径標準レンズの座を譲ったのも納得。明るさ求めなければ、ある程度絞った同じ状態、F8やF11でテッサータイプに負けてる。

そう言えば中判カメラの標準でゾナーって思いつか無いな・・・・ (あるのかも知れないけど?)


F2 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

近接のボケは疑惑のSonnarと同じく大変綺麗。ゾナータイプの特徴と思っていいのかな?


開放 - α7、RAW>Lightroom>PhotoShop

開放付近で近接するとホンワカ美味しい写り。像は甘いが逆に全く角が立たない写りが貴重。

このレンズはRFで距離計が連動する3.5ftにクリックストップがあり、更に回すとより近接撮影が出来る。距離計は連動しないけど、繰り出せるからオマケしてくれたようだ。

ピントはカメラで合わせられないけど、使い方はユーザーに委ねる思想。今のニコンとは恐らく真逆の思想だ。今なら測距が出来ない距離は、保証出来ないからピントリングが回らない仕様になるだろう。保証しなくて良いからユーザーに委ねてくれた方が、ユーザーとしては嬉しい。クレーマーも居るから判断難しいのかも知れない。そういう意味でクレーマーの及ぼす損害って人類の文化に影響するレベルか・・・・すげぇよクレーマー。



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16



F1.4 - F2 - F2.8 - F4 - F5.6 - F8 - F11 - F16

疑惑のSonnarより画質は良いが、傾向は非常によく似てる。糸巻き歪曲で外周に行くに連れ色収差が目立つ。最小F16まで絞っても周辺までは画質は上がらない。ゾナータイプはもっと長焦点距離に向いてる物で、標準レンズには無理があるのが伺える感じ。50/2タイプも見てみたい。

近景撮影の後ボケは疑惑のSonnarより硬さはあるが綺麗。開放では硬さは少し絞れば取れ、F2はある意味絶品。現代に遠景撮るのに、このレンズを使う理由は見つからないけど、近景の柔らかさを活かした撮影なら、今どきのレンズでは中々無い写りを得られると思う。